パンフレット

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Keywords

Data, アンテナ, ビーム方向, Control, ©JAXA,METI, Observation, Signal, Drive, System, Subsystem, Antenna, X-band, Equipment, コマンド, Electronics, Speed, Primary, Deployment, K-band, Line, ダブルビ, S-band, 観測対象, テレメトリ, PDCU-1), [ALOS-2][ALOS], Filter, シングルビ, Array, Valve

Transcript

陸域観測技術衛星2号
Advanced Land Observing Satellite-2(ALOS-2)
「だいち2号」
大地にも、
精密検査が必要だ。
2 3
大地は、私たちの足下で今日も動き、変化しています。
地震、洪水、火山噴火、土砂崩れといった自然現象から
人間の手による自然破壊まで、その原因はいくつもあります。
そのように日々変化する大地の上で、私たちと地球自身が
ともに健やかに暮らし続けていくためには、地球がいまどん
な状態にあるのかを知っておくことが必要です。それは私た
ちの身体に健康診断や精密検査が必要なのと同じです。
その目的のために宇宙航空研究開発機構が開発したのが
「陸域観測技術衛星2号『だいち2号』(The Advanced
Land Observing Satellite-2)」、通称ALOS-2(エイロ
ス・ツー)です。2006年から2011年まで地球を見つめ続けた
「だいち」の後継機です。
「だいち2号」は、観測機器として、高性能マイクロ
波センサ「フェーズドアレイ式Lバンド合成開口レーダ
PALSAR-2(パルサー・ツー)」を搭載しています。
合成開口レーダ(SAR)は昼夜や天候によらず観測
できるのが特徴で、特にLバンドという帯域の電波を使っ
たこのレーダは、地殻変動や、森林や植物の状態など
を捉えることを得意とします。Lバンド合成開口レーダは
日本が世界に先駆けて技術を蓄積してきた分野であり、
PALSAR-2は、その技術の粋を集めて開発されました。
「だいち」が3つのセンサ(光学2つ、マイクロ波1つ)
を持っていたのに対して、「だいち2号」はマイクロ波の
PALSAR-2に特化することで、その能力を最大限に発揮
できるようになりました。
「だいち2号」が宇宙から「精密検査」できる対象は
さまざまです。災害時に被災した地域の情報を把握し、ま
た、私たちと地球にとって生命線とも言える森林の健康状態
もチェックしてくれるのです。海上の船舶の安全を見守った
り、農業の発展を支援したりと、その可能性はまだまだ大き
く広がっています。
628kmの上空から私たちを見つめ続けるこの新しい
「眼」は、私たちと地球に、きっと新たな未来を切り開い
てくれるはずです。
大地にも、精密検査が必要だ。
大地にも、精密検査が必要だ。 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2
LバンドSARの伝統と進化. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3
暮らしの安全 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4
地球規模の環境問題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .6
衛星概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8
「だいち」から「だいち2号」への進化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .9
ミッション機器 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10
「だいち2号」のミッションと将来の衛星を支えるバス機器の向上 . 12
システムブロック図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14
打上げ、衛星分離後の運用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16
地上システムと観測運用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18
LバンドSARの伝統と進化
SAR(Synthetic Aperture Radar、合成開口レー
ダ)とは、航空機や人工衛星などの移動体に搭載され、
マイクロ波と呼ばれる電波を照射し、観測対象物から反射
して跳ね返ってくる電波を受信、特殊処理することで観測
を行うレーダです。私たちの持っているデジタルカメラなど
の光学センサは、物体から跳ね返ってくる太陽の光を感知
していますが、SARは自らが照射して物体で跳ね返ってき
た電波を感知するため、昼夜変わりなく観測ができます。ま
た、電波は雨や雲をつきぬけるため、天候を問わず観測
が可能です。Lバンドというのは電波の種類で、マイクロ
波の中でも特に波長の長い(約24cm)ものを指します。
海外衛星に搭載されているSARで使われているXバンド
(約3㎝)やCバンド(約6cm)で、森林を観測すると、
木の上の葉っぱ(樹冠)の部分で電波が反射します。し
かし、Lバンドの長い波は、一部が植生を透過して地面
まで届くために植生や地面の情報を得られるといった独特
の強みがあります。また地殻変動を知るためなどに利用でき
る「インターフェロメトリ(SAR干渉解析)」という技術を
使うのにも植生の成長などによる変化に左右されることのな
いLバンドは適しているため、地震が多く、国土の3分の
2を植生で覆われている日本には、Lバンドの利用価値が
高く、海外に先駆けて、早くから利用されてきました。1992
年に打上げられた地球資源衛星「ふよう1号」(JERS-1)
に搭載されたのを最初に、2006年打上げの陸域観測技
術衛星「だいち」、そして今回の「だいち2号」へと継続
されながら進化を遂げてきました。「ふよう1号」以来、過
去11年以上にわたるLバンドSARによる観測データを蓄
積してきたうえに、今後は「だいち2号」の運用により最
新の情報を得ていくことになります。そうした情報の蓄積は、
地球環境の要となる森林の変化と今後の行方を知る上でも
とても重要になってきます。地球温暖化が進むいま、Lバン
ドSARを持つ日本の役割は今後ますます大きくなっていくと
考えられます。
ふよう1号(1992年から1998年)
だいち(2006年から2011年)
だいち 2号
「ふよう1号」(JERS-1)の
SAR画像 分解能 18m
「だいち」(ALOS)の
SAR画像 分解能 10m
「だいち 2号」(ALOS-2)の
SAR画像 分解能 3m
©JAXA,METI
©JAXA,METI
波長が長い場合(Lバンド)
雲・雨・葉・枝を通過して、
幹・物体・地表面で反射
波長が中間の場合(Cバンド)
雲・雨を通過して、
葉・枝で反射
波長が短い場合(X バンド)
雲・雨で減衰、葉で反射 ©JAXA
2 3
4 5
「だいち2号」が得る観測デ ターはどのように活かすことができるのか。ここではその具体的な事例を紹介します。
「だいち」によってすでに示されたLバンドSARのさまざまな可能性を、より高度な形で実現に移していきます。
暮らしの安全
暮らしの安全のため災害を監視
地震による地殻変動を把握
東日本大震災で生じた地殻の変動は、「だいち」の
PALSARによってはっきりと観測されました(左図)。同じ場所を
2回以上観測してデータの変化をとる(干渉させる)「インタ フーェ
ロメトリ」という手法によって地形の変化や動きを抽出しています。
地殻変動の測定には、国土地理院が各地に設置したGPS
基準点のデータが用いられますが(右図)、GPSは「点」で
しか変動を測定できません。それに対して衛星データは、変動
を「面」で捉えることができます。国土地理院と宇宙航空研究
開発機構の協力により、GPSと衛星データを併用することで、よ
り正確かつ詳細に変動の様子を捉えることができます。
また、軌道保持や位置把握の精度が向上した「だいち2
号」では、より高い精度でインターフェロメトリを行うことが可能
です。「だいち2号」は打上げ後に、インターフェロメトリにお
いて基準とする国内及び世界各地のベースマップを整備しま
す。そのため、国内で、地震が起きた場合、3日以内にイン
ターフェロメトリ用のデータが得られ、地震発生から早い段階
で地殻変動の様子が把握できるようになります。加えて、災害
時の被災地の状況を知るために、スポットライトモ ドーを用いる
などで高分解能の画像を判読すれば、高層ビルや橋などの大
型建造物が崩壊しているか否かを判別でき、救援ル トーなどの
設定にも活用ができます。
虹色の縞が地表の変動(隆起や沈降、水
平方向への移動)の大きさやパタ ンーを表し
ます。等高線と同様に縞の密度が高いとこ
ろほど変動が大きいことを示します。
2011年 3月 11日に発生した東北地方太平洋沖地震では、最大で水平方向に
約 5.3m、上下方向に約 1.2mという極めて大きな地殻変動が観測された。
©JAXA,METI Analyzed by GSI
提供:国土地理院
国際協力を通じた世界の災害情報の提供
災害発生時には、できるだけ迅速に被災地の観測画像を得
ることが重要になります。しかし自国の衛星が必ずしも必要なタイ
ミングで自国の上空を飛んでいるとは限りません。そこで、災害
時に各国が互いに協力して衛星からの観測データを提供し合
う国際協力の枠組みがあります。もっとも代表的なものが「国際
災害チャーター」です。地震や洪水、台風などによる緊急を
要する大規模災害は世界で毎年300前後発生していますが、
たとえば2010年(災害数330)では51の事例で国際災害
チャーターが発動されています。欧米、中国、韓国、ロシアな
ど20を超える国や機関が参加しており、日本も「だいち」の打
上げ後から参加しています。
また、このアジア版とも言えるのが「センチネルアジア」です。こ
れは日本が主導して、インド、タイ、台湾といった国々が参加してい
ます。さらに、イタリア、ドイツ、カナダの宇宙機関とは災害発生時
に、それぞれの持つ衛星のデータを交換しあう個別の協定を結ん
でいます。国際災害チャー ター 、センチネルアジアに貢献した「だ
いち」に続き「だいち2号」の打上げ後は再び日本の活躍が期
待されています。今後も各国の中央
省庁や地方自治体で利用されることで
しょう。
豪雨による水害・土砂災害にも迅速に対応
2011年9月の台風12号によって奈良県の十津川村は大きな被
害を受けました。悪天候のためヘリによる調査からは断片的な情報
しか得られなかったものの、ドイツの衛星TerraSAR-XのSAR画
像を判読することにより、避難指示などの判断に用いられました。「だ
いち2号」では、国内における災害発生時には、観測要求期限
(観測が行われる時刻に対して観測を指示できる締切)は最短で
1時間、観測を実施してからデータを提供するまでに最短で1時間
での対応が可能になります。海外の衛星とくらべてもかなり迅速なデー
タ提供を目指します。ヘリや航空機が観測できない災害発生直後
の空白期間や広域エリアの状況把握に力を発揮します。また「だい
ち2号」のスポットライトモ ドーや高分解能モ ドーを用いることで、高
分解能で高画質の画像を防災に関連する中央省庁や地方自治体
に迅速に提供することも可能になります。
夜間、雨雲に関係なく見れる SAR 画像によ
り、河道閉塞を把握。下流の住民避難につ
ながった。
湛水池
崩壊地
提供:国土技術政策総合研究所
© 2014 Airbus Defence and Space / Infoterra GmbH, Distribution [PASCO]
海・山問わず災害を監視
メキシコ湾での油流出の様子(黄色の枠内が流出箇所)
地震や水害以外にも地盤沈下、森林火災、火山噴火など、さまざまな災害の
監視や状況把握に「だいち2号」の画像は貢献します。たとえば火山の多い日
本では、110の活火山が定期的に気象庁などによって観測されていて、「だいち」
の画像もその監視業務に活用されました。「だいち」の運用停止後は、気象庁・
火山噴火予知連絡会の要請に対応して、海外のSAR衛星による観測を継続し
ています。今後は「だいち2号」が、さらに高い精度を持ってその役割を担って
いきます。地盤沈下については、ダムなどの大型建造物の劣化につながる情報と
して、インフラ関係民間企業が活用することも期待されます。
2011 年 1月霧島山(新燃岳)
噴火の様子。左が光学画像、
右が SAR 画像。雲だけでなく煙
も透過して撮影できることがわか
る。
©JAXA,METI
海氷監視
海氷の動きを知ることは寒冷地での船舶の安全な航行にとって欠かせません。そのため、海上
保安庁では、複数の機関からの情報をもとにオホーツク海の海氷情報を「海氷速報図」として
冬季に毎日公開しています。
「だいち」は、運用期間中に毎年12月から5月にかけて定期的にPALSARの広域観測モー
ドによってオホーツク海の観測を行い、海氷解析した情報を海上保安庁に提供してきました。
SARの雲の影響を受けないという強みから、荒天の多い冬の海でその有効性が示された一方、
観測頻度が十分ではないこと、薄氷の識別が難しいといった課題も見つかりました。「だいち2号」
では、観測頻度が向上し、冬季のオホーツク海の海氷情報をより多く海上保安庁に提供します。
また、広域観測モ ドーでもHVチャンネルも使用できるため、多くの海氷情報を提供できるようにな
ることが期待されています。
PALSARによる北海道の流氷画像
(2011 年 2月 3日)
©JAXA,METI
提供:国土地理院
©JAXA,METI 
2008 年 10月に起きたベトナム洪水。
JAXAは「だいち」PALSARの観測・解析し、
データをセンチネルアジア経由でベトナム科
学技術院に提供。
近畿地方整備局提供
©JAXA ©JAXA,METI
6 7
地球規模の環境問題
人口の増加によって食糧問題が深刻になるアジア各国では、
自国の農業状況を正確に把握することが重要です。特に、世
界の生産消費の90%をアジアが占める米については、各国が
詳細で正確な農業統計情報を必要としています。しかし実際に
行われている調査はあまり信頼性が高いとは言えないのが現状
です。また、水稲は主に雨の多い雨季に作付けされるので雲
を透過するSARは非常に有効です。そこで「だいち2号」の
出番となります。
SAR画像では水面は暗く映ります。水稲は作付するに当たっ
て水を張るため最初は暗く映りますが、稲が育ち水面が隠れる
につれて明るく見えるようになっていきます。つまり、時間とともに明
るさが変化する土地が水稲の作付域だと判断でき、SAR画像
から作付面積を知ることができます。
タイの特定の地域ではすでに「だいち」のデータを使ったこ
の手法の検証を実施しており、今後「だいち2号」のデータ
を使って他の地域・国での検証も行い、実用に移そうという段
階に進んでいます。タイ以外にも、ベトナム、インドネシア、ラ
オス、フィリピンと協力して有効性を確かめています。「だいち」
では比較的狭い範囲にしか使われていませんでしたが、広域で
も詳細なデータが得られる「だいち2号」では、県や国全体
などより広い範囲に利用して、食料安全保障施策のための基
礎データとして各国で使われることが期待されています。また、ト
ウモロコシやサトウキビといった比較的大きな作物もSAR画像に
よって見分けられる可能性があり、その利用が検討され始めて
います。
経済・社会への貢献
食料供給の円滑化
極域の氷の減少
極域は、地球温暖化とそれに伴う気候変動の影響が特に表れやすい場所で、温
暖化の指標として長期的に観測を続けることが重要です。常時雲に覆われている極
域では、雲の影響を受けないSARによる観測は特に有効です。また北極海では、
海氷の減少によってヨー ロッパとアジアをつなぐ北極海航路の開通が現実味を帯びて
きており、その調査研究においても、「だいち2号」による精密な海氷観測のデータ
は大きな役割を果たすでしょう。一方、インター フェロメトリの手法を使うと、氷床や氷河がどのように動いているかも知ることができます。SARは
極域科学において非常に強力なツー ルとなりえます。
グリー ンランドの氷河後退状況監視
©JAXA,METI
Analyzes
by JAXA
ブラジルの森林地帯では違法伐採が頻発しています。そ
れを監視するプロジェクトにおいて、「だいち」のSAR画像
は大きな役割を果たしました。ブラジルでは、ランドサットや
CBERS等の光学センサの衛星データを用いた伐採監視を実
施していましたが、年間の半分を占める雨季には光学センサの
衛星データが使えず、伐採が増える傾向がありました。そのた
め、雨や雲を透過して森林を観測できる「だいち」のSAR画
像を2007年にブラジル環境・再生可能資源院(IBAMA)
に提供を始めると雨季の伐採も減る傾向になり、ブラジルの森
林伐採域(合法的伐採も含む)は2008年の12000㎢から
2009年の7000㎢へと大きく減少したことに貢献しました。高性
能になった「だいち2号」のPALSAR-2では、さらに正確な
森林伐採域の特定が期待できます。また、違法伐採団をその
場で捕らえるためには、伐採中の様子を衛星から捉えてすぐ警
察が動く必要があります。違法伐採団が現地にいるのは2週間
ほどだと言われているため、回帰日数が46日の「だいち」では
伐採中の様子を捉えられる機会は多くはありませんでしたが、回
帰日数が14日の「だいち2号」では、その点でも力を発揮でき
そうです。IBAMA(ブラジル環境・再生可能天然資源院)
に限らず、各国の環境関連団体が注目しています。
森林伐採の監視
水のみがある作付前は、水面が鏡のように働き、マイクロ波は入射方向とは逆に反
射する。そのため人工衛星にはマイクロ波が戻ってこず、画像上では暗く映る。田植
え後、しばらくは人工衛星へのマイクロ波の戻りが弱く、画像上では暗く映る。
やがて稲の生育とともにマイクロ波の戻りが強くなり、画像上では明るくなる。
画像上、田植時期に暗く、稲の生育と共に明るさが増すという特徴を捉えること
で、水稲作付域がわかる。青が水稲で黄が水稲以外。
©JAXA,METI
(RESTECホームペ ジーより)
地下資源の探査、地盤沈下の把握
石油埋蔵量は長年サウジアラビアが世界第1位でしたが、2010年、ベネズエラが
突然前年から40.4%も伸ばして1位となりました。その背景には資源の採掘技術の目覚し
い進化があります。日本でも、近海に眠る海底資源を採掘できる可能性が技術的に高ま
り、近年大きな注目を集めていますが、そこで力を発揮しているのがSARです。海底油
田がある場所では、漏出した油が海面に浮かび、オイルスリック(油膜)を作ることがよ
くあります。オイルスリックは普通の水面に比べて滑らかなため、SAR画像で見ると水面
よりも暗く見えます。異なる時間のSAR画像で常にオイルスリックが確認できる場所では、
海底から石油が漏れ出していることが示唆され、海底油田を探すひとつの指標となります。
「だいち2号」によってより正確なデータが得られれば、日本近海の新たな資源開発に
大いに力を発揮する可能性があります。エネルギー関連の行政機関や民間事業者によ
る利用が見込まれます。また、インターフェロメトリの手法によって石油のくみ上げによる地
盤沈下を数センチ単位で観測することも可能であり、地盤沈下を監視する環境アセスメン
ト事業などで活用が見込めます。
J-spacesystems提供
LバンドSARは、植生を透過し、雲の影響を受けにくいとい
う特性から、雲に覆われることの多い熱帯雨林等の森林の観
測にも有効です。そのため日本は、「ふよう1号」から「だいち」
にかけてLバンドSARによる森林観測を継続的
に行ってきました。途中に空白期間はあるものの
1992年から2010年の間で11年以上の長期観
測データが得られています。
「だいち2号」では広域観測モ ドーでもHV
チャンネル(地面に対して水平方向(H)に振
動する波を送信して、垂直方向(V)で受信す
る)を持つので、今後、さらに詳細な森林の観
測データが得られることが期待されます。観測モー
ドを変えて、ポラリメトリ(4偏波)での観測や、
差分干渉がやりやすい運用をするなどの工夫を行
うことで、樹の種類や高さまでがわかる可能性が
あり、それらがわかれば、地上に存在する森林
の炭素量やCO2の吸収量がより高い精度で推
定できることになります。地球温暖化を考える上で極めて重要な
情報となるため、「だいち2号」を通じて、LバンドSARによる
森林監視のグロー バルスタンダ ドー化を目指します。
森林が多いほど、色が暗くなります。年ごとの画像を並べるだけで森林の減少の動向ははっきりと見
てとれます。
©JAXA, METI Analyzes by JAXA
地球規模の環境問題への対応
全球森林マップによる森林減少
異なる時期の PALSAR 画像を 2 枚重
ね合わせることでその期間中に伐採さ
れた場所が特定できます。「だいち」
では伐採後に生えてきた小さな樹や水
の存在によって伐採域の判別が難しく
なることもありましたが、「だいち 2 号」
ではそういう場合もより正確に伐採域を
特定できることが期待されています。
©JAXA,METI
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陸域観測技術衛星
「だいち2号」の概要
「だいち2号」は、その名の通り「だいち」の後継機です
が、つくりは大きく異なります。一番の違いは、「だいち」が3
種類のセンサ(高性能可視近赤外放射計(AVNIR-2)、パ
ンクロマチック立体視センサ(PRISM)、Lバンド合成開口
レーダ(PALSAR))を持っていたのに対して、「だいち2号」
はSARに特化した衛星であることです。特化することでSARの
能力を最大限に活かせるようになり、昼夜天候を問わず災害を
監視するという第一の目的により適した衛星になりました。レーダ
自体の能力も「だいち2号」のPALSAR-2は、「だいち」の
PALSARに比べて大幅に向上しています。分解能、観測可
能域、データ提供時間などあらゆる面が改良されました。また、
それを支えるために必要な、データの伝送速度の向上や高い
位置精度の保持など、さまざまな新規技術によって衛星としての
基本機能をレベルアップさせています。
迅速な災害監視に必要な能力を備えたと同時に、今後の衛
星開発に生かせるさまざまな技術が「だいち2号」の開発を通
じて生み出されました。
衛星サイズ
打上げ時 約 4.5m(X)×3.5m(Y)×3.1m(Z)
軌道上 約 10.0m(X)×16.5m(Y)×3.7m(Z)
衛星概要
太陽電池パドル(SAP)
デ ター中継用アンテナ(DRC-ANT)
直接伝送用Xバンドアンテナ(XANT)
LバンドSARアンテナ(PALSAR-2)
衛星コンフィグレー ション




進行方向
運用軌道
種類 太陽同期準回帰軌道
高度 628km(赤道上)
通過時刻 12:00(正午)@赤道上(降交軌道)
設計寿命 5年(目標 7年)
打上げ
時期 2014年 5月24日(予定)
ロケット H-ⅡA24号機
衛星 質量 2t
ミッションデ ター伝送 直接伝送およびデ ター中継衛星経由
SAR周波数 Lバンド(1.2GHz帯)
観測性能
スポットライト 分解能:1~ 3m 観測幅:25km
高分解能 分解能:3/6/10m観測幅:50/50/70km
広域観測 分解能:100m 観測幅:350km
ALOS-2主要諸元
「だいち」から「だいち2号」への進化
[観測時]
衛星進行方向
衛星進行方向
地心方向
30deg30deg
地心方向
[非観測時]
[左側観測時][右側観測時]
ビーム走査範囲:
入射角 8~60deg
ビーム走査範囲:
入射角 8~70deg
[だいち2号]
[だいち]
桃色幅:高分解能[3m/6m]モ ドー(観測幅 50km)
緑色幅:高分解能[10m]モ ドー(観測幅 70km)
赤色幅:広域観測モ ドー(観測幅:350km)
黄色幅:広域感想モ ドー(観測幅:490km)
軌道間距離:
約 2200km@東京付近
観測入射角範囲:8~ 70度
N周回目軌道
衛星直下軌跡
N+1周回目軌道
衛星直下軌跡
Lバンドによる詳細な観測を可能にするべく、「だいち2
号」は、「だいち」からさらに分解能を向上させました。「だ
いち」PALSARでは最高で10mでしたが、「だいち2号」
PALSAR-2では1 ~ 3mまで分解能を上げることができます。
これは、スポットライトモ ドーが追加され、衛星が飛びながら進
行方向に電波の照射方向を変えることで、見たい場所を長時
間観測し続けることが可能になったためです。また、高分解能
でありながら観測幅も十分に確保するために、「デュアルビーム
方式」(後述)を採用しています。これにより、高分解能モー
ドの分解能3mで観測幅50km、スポットライトモ ドーの分解
能1 ~ 3mで25kmの観測幅を確保できるようになりました。
1 より詳しく
「だいち」PALSAR画像
(分解能 10m)
「だいち2号」SARシミュレ シーョン画像
(分解能 3m相当)
2 より迅速に
災害監視という目的のためには、高い即応性が求められます。「だいち」のユーザか
らの要望にこたえるため、「だいち2号」ではさまざまな改良が加えられました。まず、「だ
いち」では、SARアンテナが進行方向右下側に向いていて、その方向しか観測するこ
とができませんでしたが、「だいち2号」では、観測できる範囲をより広くするためにアンテ
ナ面が衛星直下を向くように変更し、観測時に衛星の姿勢を左右に傾けることで衛星の
左右どちらの側も観測できるようにしました。そのため、「だいち」と比べて、観測可能範囲
(879km→2,320km)が広がりました。また、この左右観測の機能があること(同じ軌道
上から広い場所を監視できる)、回帰日数を46日から14日に大幅に短くしたこと(観測すべ
き場所にすぐに行ける)、データ伝送能力を強化・高効率化したこと(データ送信が迅速
になる)などにより、災害が起きて緊急観測の要求があった場合は、国内においては最短
で2時間程度で被災地の様子を映した画像が提供することができるようになりました。
Q. 回帰日数ってどうやって
決まるの?
回帰日数とは、地球を周回する
衛星が再び同じ場所に戻ってくるま
でにかかる日数です。それは主に、
衛星の高度と傾斜角の2つの要
素によって決まります。「だいち」と
「だいち2号」では、高度がそれ
ぞれ691kmと628kmと異なりま
す。その差によって回帰日数に46
日と14日という違いが生じていま
す。
©METI, JAXA ©JAXA
10 11
昼夜天候を問わず観測可能 フェー ズドアレイ式Lバンド合成開口レー ダ
「だいち2号」搭載のPALSAR-2は、Lバンドの電波を空
間に放射し、地表面から反射される電波を受信することで情報
を得るマイクロ波センサです。太陽などの発光源に依存しない
ため、昼夜を問わず観測できるのが特長です。
送受信する電波の帯域はマイクロ波。雲などの小さな水滴の
影響を受けにくく透過する性質があり、晴雨によらない全天候型
のセンサです。そのため、いつどこで起きるかわからない災害を
観測するには最適です。さらに、Lバンドはマイクロ波の中でも
波長が長く、植生も透過して地面まで届くため、植生や地表に
ついての情報も得られます。
日本のLバンドSARは、1992年に打上げた「ふよう1号」
に始まり、2006年に打上げられた「だいち」のPALSARを
経て今回の「だいち2号」のPALSAR-2に至ります。放射す
る電波の強さや使われる周波数帯域の拡大、また、2つの独
立した受信の電波を制御できるデュアルビーム方式の採用によ
り、高い分解能と広い観測幅を達成した、世界に類を見ない
センサとして利用価値の高いものとなっています。
観測対象



信電波


地表
アンテナ
ビーム方向
波面
アンテナ
ビーム方向
波面
進行方

進行方

[ALOS-2][ALOS]
シングルビ ムー ダブルビ ムー
ミッション機器
観測モー ド 分解能 観測幅
スポットライト 1m(Az)×3m(Rg) 25km(Az)×25km(Rg)
高分解能
空間分解能:3m 3m 50km
空間分解能:6m 6m 50km
空間分解能:10m 10m 70km
広域観測
観測幅:350km 帯域幅:14MHz 100m 350km
観測幅:490km 60m 490km
多彩な観測モー ド
さまざまな観測モ ドーを選べるのもPALSAR-2の特長です。
最も詳細な観測を実現する分解能1 ~ 3mの「スポットライト
モ ドー」(観測幅25km)のほか、PALSARを継承しつつ分
解能を3m、6m、10mから選べる「高分解能モ ドー」(観
測幅50km or 70km)、広範囲を一度に観測できる「広
域観測モード」(分解能60 ~ 100m、観測幅350km or
490km)を備えています。これらの中から目的に応じて適切な
観測モ ドーを選択することで、最適な観測を行います。また、
6m分解能でフルポラリメトリ(4偏波による観測)による観測を
実現し、広域観測モ ドーでもHVチャンネルを利用できるように
なった(PALSARではHHチャンネルのみ)ことで、同じ場所
を観測してもより多様な情報が得られるようになりました(例:森
林の木の種類が見分けられる可能性がある)。
スポットライトモー ドで高い分解能を実現
PALSAR-2では、高い分解能が得られる新たな観測モ ドー
として「スポットライトモ ドー」が追加されました。このモ ドーで
は、飛んでいる衛星の進行方向にビーム(電波)の向きを動
かしながら、まさにスポットライトのように、目的の場所にビームを
あて続けます。動きながら一か所をじっと見つめていると多くの情
報が得られるのと同様に、こうして長時間(13 ~ 26秒)ビー
ムをあて続けることで得られる情報量が増え、その結果1 ~ 3m
という高い分解能を得ることができます。約10mの分解能を持つ
「だいち」のPALSARでは選別できない形状の判別が可能
となります。
デュアルビー ム方式の採用で観測幅が広くなる
PALSAR-2は、世界最先端の技術である「デュアルビー
ム方式」を採用したことで、高分解能のまま広い観測幅を保つ
ことが可能になりました。この方式では、ビームを送信するときは
アンテナ面全体を1つの開口面(=電波を送受信する面)とし
て照射し、ビームを受信するときはアンテナ面を前後に分割して
2つの開口面として行います。このように、受信時にアンテナを
分割すると2つの受信波を一度に受信できることなり、それぞれ
の受信時間を長く確保することができます。合成開口レーダに
は、受信波の受信時間が長いほど観測幅を広くできるという性
質があるため、この技術によって3mの分解能でも50kmもの観
測幅を確保することが可能になりました。
観測対象



信電波


地表
アンテナ
ビーム方向
波面
アンテナ
ビーム方向
波面
進行方

進行方

[ALOS-2][ALOS]
シングルビ ムー ダブルビ ムー
観測対象



信電波


地表
アンテナ
ビーム方向
波面
アンテナ
ビーム方向
波面
進行方

進行方

[ALOS-2][ALOS]
シングルビ ムー ダブルビ ムー
帯域幅の拡大、電波の高出力化を実現
「だいち2号」のPALSAR-2に要求された高分解能、高
画質の観測を実現するためには、PALSARよりも電波を強くす
ることが必須です。そのために、アンテナを大きくして電波を集
中させる(フェーズドアレイアンテナの場合、アンテナ自体の数
を増やすこと)か、電波信号そのものを強めるという方法がありま
すが、今回、後者の効果を得るために、アンテナ用増幅器の
中に、世界に先駆けて窒化ガリウム素子を使用しました。レー
ダの周波数帯域を拡大して高い出力で電波を送ることが可能
になります。それが「だいち2号」の詳細な観測を支えていま
す。
さまざまな最先端技術によってフェー ズドアレイアンテナを実現
Q. 「フェー ズドアレイアンテナ
(Phased Array Antenna)」とは?
大きい傘のようなパラボラアンテ
ナの代わりに、PALSAR-2のフェー
ズドアレイアンテナ方式は、小型の
アンテナを複数並べるのが特徴で
す。この方式では、一つひとつの
小さなアンテナから出る電波を電子
的に制御して向きを変えます。その
ため、アンテナを固定したままでビー
ム(電波)を自由に振ることができ
ます。横10m、縦3mほどの大型
アンテナを実現し、かつビームを振
るためには、宇宙空間で開くことの
できるフェーズドアレーアンテナがよ
り実現性が高く、宇宙ではこの方式
を取るのが一般的です。
観測対象



信電波


地表
アンテナ
ビーム方向
波面
アンテナ
ビーム方向
波面
進行方

進行方

[ALOS-2][ALOS]
シングルビ ムー ダブルビ ムー
約 1000個ものアンテナが目となり地球を観測
12 13
より高速に
「だいち2号」の取得する大容量の観測データを迅速にユー
ザーに届けるには、高速のデータ伝送が不可欠です。そのた
めに搭載しているのが「高速マルチモ ドー変調器(XMOD)」
です。従来のQPSK方式に加え、16QAM方式による変調が
可能で、後者の方式を使用すると800Mbpsでの伝送が実現
できます。これはXバンド単一波の通信としては世界最速級で、
「だいち」(138Mbps)の5倍を超える速さに当たります。
より効率的に
XMODによる高速伝送が使えるのは、「だいち2号」から
地上の受信局が見える位置にいるときだけですが、受信局が
見えない位置からでも、データ中継衛星「こだま」を経由して
のデータ伝送が可能です。データ中継衛星をリレーして地上
の受信局へ伝送するこの方法では、通信速度が約278Mbps
(QPSK方式)となりますが、XMODとの併用で効率的なデー
タ伝送が実現できます。
デ ター伝送能力の向上
人工衛星がそれぞれ固有のミッションを達成するために必要な「ミッション機器」に対して、どの人工衛星に
も共通して必要となる基本機能を司る部分を「バス機器」と呼びます。「だいち2号」は、今後の衛星開
発への応用を見据えて、バス機器にもさまざまな新規技術を積極的に取り入れています。
「だいち2号」のミッションと将来の衛星を支えるバス機器の向上
「だいち2号」では「観測テーブル」を採用しています。こ
れは、観測に必要な機器の立上げ/立下げといった一連の情
報が登録された雛形のようなもので、観測モ ドーごとにテーブル
が用意されています。新たな観測に移るときは、観測テーブル
を指定し、その観測計画固有のパラメータを設定するだけで済
むため、災害時の緊急観測などの場合に、コマンドミスなく迅
速に対応することができます。
より迅速に
運用性の向上
サバイバビリティの向上
1翼から2翼へ
「だいち」の太陽電池パドルは、進行方向左側に長く延び
た1翼方式でした。1翼にすると各センサが広い視野を得られ
るものの、パドルが故障した際に替えがないという欠点もあります。
「だいち2号」はレーダが衛星下面にあり視野の問題がない
ため、故障時の電力確保に有利な2翼方式を採用しました。
片翼が故障して発生電力が半分になった場合は、「縮退モー
ド」(電力負荷を削減し限定的な観測運用を行うモ ドー)に
よってミッションを継続します。
万が一の際の安全モー ド
衛星に何らかの異常が発生して観測運用が継続できない、
もしくは観測運用を継続することで衛星システムに深刻な問題
が発生すると想定される場合には、観測運用を停止して「安
全モ ドー」に移行します。電力負荷を最小限にし衛星の状態
を把握するためのモ ドーです。問題発生時に適切なモ ドーに自
動移行することで、サバイバビリティ向上を実現しました。
より精密に
PALSAR-2において広い応用が期待されるデータ解析手法に「インタ フーェロ
メトリ」があります。これを高い精度で行うためには、正確に同じ場所を2回以上
観測することが必要です。そのためにはまず衛星の位置を精度よく知ることが重要で
す。「だいち2号」が搭載するGPSは、「2周波搬送波測位型GPS受信」とい
う技術により1m以内での位置決めを実現します。また、大気抵抗による高度降
下、太陽引力による軌道面の変動など、衛星には常に外力が加わり、徐々に軌
道から外れてしまいます。しかし、それを衛星自体が修正するという、新たな「高
精度自律軌道制御技術」を採用し、基準となる軌道に対して半径500mのチュー
ブ内から出ないように自律的に軌道保持を行うことが可能になりました。
50
0m 位置精度・回帰精度の向上
GPSA(GPSアンテナ)
高速マルチモ ドー
変調器(XMOD)
デ ター撮像機会・
蓄積能力の向上
より俊敏に
「だいち2号」は、進行方向に対して左右に姿勢を回転さ
せることができます。この機能により、PALSAR-2のビームをより
広い領域に照射して、撮像機会を増やすことが可能です。でき
るだけスピーディー に姿勢を変更するため「高トルクリアクション
ホイー ル」を5台搭載。大きなトルクを発生させることで、120
秒で30度回転させるというダイナミックな動きを実現します。
より大量に
PALSAR-2によって得られるデータは、「だいち」の
PALSARに比べて高分解能かつ広範囲であるため、1観測
あたりのデータ量が増えます。また、左右観測機能により撮
像機会が増大することで、地上への伝送完了までの間に蓄
積しておくべきデータの総量が増えることになります。このため、
ALOS-2ではデータレコーダの容量を拡大し、記憶容量を最
大128Gbyte(ALOSは96Gbyte)に高めました。
高トルク
リアクションホイー ル
(RW)
MDP(ミッションデータ処理装置)
将来を見すえた開発
リチウムイオンバッテリを採用
「だいち」が搭載していたニッカドバッテリは、メモリ効果(バッテリー を
使い切らずに再充電を繰り返したとき、見かけ上使用可能な容量が減る現
象)があるため、時々通常の量以上の放電を行うリコンディショニング(容
量回復)が必要でした。「だいち2号」では、将来の衛星でも使える設計
開発としてメモリ効果の無いリチウムイオンバッテリを採用したため、リコン
ディショニングが不要となり、同時にバッテリの軽量化も達成しました。
結合化ドライバ(UDE)の開発
「だいち2号」では搭載する機器の数を減らして軽量化を行うため、
機器自体の機能を見直しました。その結果として、推薬弁/遮断弁/
SADM / SAR展開用モータ/ XANT展開用モータ/ MTQを駆動
するための機器を一つに統合し、統合化ドライバ(UDE)を開発しました。
今後開発される他の衛星においても利用していく予定です。
統合化ドライバ(UDE)
GPSA XMOD
UDE
RW
MDP
「だいち 2号」衛星バスのスケルトンモデル
14 15
MDHS
DM
DT
CIRC
SPAISE-2
SOFIE
AOCS
TCS
SPS EPS INT
PALSAR-2
DRC
TT&C
RCS
CIRC
CAM-H1
CAM-H2
CAM-H3
CAM-H4
CAM-H5
ESH-1
ESH-2
ESE-1
ESE-2
CSS-A
CSS-B
IRU
GPSL-1A
GPSL-2A
GPSL-1B
GPSL-2B
STT-1
STT-2
STT-3
ODC
STR
KFIL
KTWTA-A
KHYBKMOD
KTWTA-B
XMOD
PT
GFD
SAR外部搭載機器
GPSP-A
GPSP-B
WDE-1 RW-1
WDE-2
WDE-3
WDE-4
WDE-5
UDE-A
UDE-B
MTQ-1
MTQ-2
RW-3
RW-5
RW-4
RW-2
Thermistor
Temperature
sensor
SAP-2
SAP-2
SADM-1
SADM-1
SPAISE-2
AOCE
APE-A
APE-B
DRC-ANT
MTP-A
MTP-B
PDCU-250V PWR
to Mission Equipment
50V PWR
to Bus Equipment
50V or 28V PWR
to Bus Equipment
/ Heater
SLPF-A
SLPF-B
XFIL-AXSSPA-A
XFIL-BXSSPA-B
XHYB-A
XHYB-B
SDIP-A
SDIP-B
SHYB-3
SHYB-2
SHYB-1
RIM-A
RIM-B
MDP
CDMS-A
CDMS-B
FDV-1
FLT
PFD
TNK
FDV-2
PCU
B1M-2B1M-1
MDP
SOFIE
CAM-CNT
SAR内部搭載機器
Primary PWR
(28V fm PDCU-1)
(SAP-1)
(SAP-2)
(SAR-PX/XANT-PY)
(SAR-MX)
(SAR-PX/XANT-MY)
Observation Data
Primary PWR
(50V fm PDCU-1)
AIS-RX
Primary PWR
(50V fm PDCU-1)
SF-CNT
Observation Data
GPSA-1A
TLM(High Speed)
GPSA-1B
GPSA-2B
GPSA-2A
SAR Guard Pulse
SAR Deployment
Motor Drive Signal
XANT Deployment
Motor Drive Signal
SAP Drive Signal
(to SADM)
Boot Signal(fm BIM)
AOCE TLM
BAT-1 BAT-2
Time Marker, Clock
DM Observation Data
Time Marker, Clock
DM Observation Data
Satellite Separation Signal
SAP Deployment Pulse(to ODC)
SAP Potentiometer (fm SADM)
CMD / TLM
to Equipment
Heater
Control
to Equipment
SAP Potentiometer
(to AOCE)
SAP Drive Signal
(fm UDE)
Observation Data
(Low Speed To CDMS)
Observation Data
(High Speed)
Low Speed Line to CDMS
High Speed Line to CDMS
DATA
DATA
Primary PWR
(28V fm PDCU-1)
SAR-ANT
Observation Data
Guard Pulse(to GPSP)
Antenna development
Power(fm UDE)
Drive Signal/Encoder
Drive Signal/Encder
XATT-A
XANT-PY
XANT-MY
SANT-3
SANT-2
SANT-4
SANT-1
XATT-B
Launch Lock
Release Signal
(fm ODC)
Primary PWR(fm PCU)
①Low Speed Line ‒ Record & Reproduced Data
②High Speed Line ‒ Record Data




SAP Deployment Pulse
(fm AOCE)
Launch Lock
Release Signal
Boot signal
(to AOCE)
PDCU-2
PDCU-1
LV-1
LV-1
THR-1A
THR-2A
THR-3A
THR-4A
THR-1B
THR-2B
THR-3B
THR-4B
1553B Data BUs
システムブロック図
サブシステム構成
Subsystem Constitution
PALSAR-2 フェー ズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダPhased Array type L-band Synthetic Aperture Radar
SOFIE SOI-FPGA 軌道上実証ボードSOI FPGA In-orbit Experiment
CIRC 地球観測用小型赤外線カメラCompact Infrared Camera
SPAISE-2 第二世代衛星搭載 AIS 受信システムSpace based AIS Experiment -2
AOCS 姿勢軌道制御系Attitude & Orbit Control System
■ AOCE
■ IRU
■ CSS
■ ESE
■ ESH
■ STT
■ GPSP
■ GPSA
■ UDE
■ WDE
■ RW
■ MTQ
姿勢軌道制御電子回路
Attitude & Orbit Control Electronics
慣性基準装置
Inertial Reference Unit
粗太陽センサ
Coarse Sun Sensor
地球センサ電子回路
Earth Sensor Electronics
地球センサヘッド
Earth Sensor Head
スタートラッカ
Star Tracker
GPS 受信機本体
Global Positioning System Processor
GPS アンテナ
Global Positioning System Antenna
統合化ドライバ
Unified Driver Electronics
リアクションホイール駆動回路
Wheel Driver Electronics
リアクションホイール
Reaction Wheel
磁気トルカ
Magnet Torquer
TT&C テレメトリ・トラッキング・コマンド系Telemetry Tracking and Control Subsystem
■ CDMS
■ RIM
■ MTP
■ SDIP
■ SLPF
■ SHYB
■ SANT
コマンド&データマネジメントシステム
Command & Data Management System
リモートインタフェースモジュール
Remote Interface Module
マルチモード統合トランスポンダ
Multi-mode integrated Transponder
S バンドダイプレクサ
S-band Diplexer
S バンドローパスフィルタ
S-band Low Pass Filter
S バンドハイブリッド
S-band Hybrid
S バンドアンテナ
S-band Antenna
DT 直接伝送系Direct Transmission Subsystem
■ XANT
■ XFIL
■ XHYB
■ XSSPA
■ XMOD
■ XATT
Xバンドアンテナ
X-band Antenna
Xバンドフィルタ
X-band Filter
Xバンドハイブリッド
X-band Hybrid
Xバンド高出力増幅器
X-band Solid State Power Amplifier
Xバンド変調器
X-band Modulator
Xバンド減衰器
X-band Attenuater
DRC 衛星間通信系Data Relay and Communication
■ APE
■ KMOD
■ KHYB
■ KTWTA
■ KFIL
■ DRC-ANT
アンテナ駆動電子回路
Antenna Pointing Electronics
K バンド変調器
K-band Modulator
K バンドハイブリッド
K-band Hybrid
K バンド高出力増幅器
K-band Traveling Wave Tube Amplifier
K バンドフィルタ
K-band Filter
DRCアンテナ
Data Relay and Communication Antenna
MDHS ミッションデータ処理系Mission Data Processing Subsystem
■ MDP ミッションデータ処理装置Mission Data Processor
INT 計装系Integration Hardware
■ PDCU 電力分配器Power Distribution Control Unit
EPS 電源系Electrical Power System
■ PCU
■ BIM
■ BAT
■ ODC
電力制御器
Power Control Unit
バッテリインタフェースモジュール
Battery Interface Module
バッテリ
Battery
爆管制御器
Ordnance Controller
SPS 太陽電池パドル系Solar Paddle Subsystem
■ SAP
■ SADM
太陽電池パドル
Solar Array Paddle
太陽電池パドル駆動機構
Solar Array Drive Mechanism
DM 展開モニタ系Deployment Monitor
TCS 熱制御系Thermal Control System
STR 構造系Structure
■ CAM-CNT
■ CAM-H
モニタカメラ制御部
Monitor Camera-Controller
モニタカメラヘッド
Monitor Camera-Head
RCS 推進系Reaction Control Subsystem
■ THR
■ TNK
■ LV
■ FDV
■ PFD
■ GFD
■ FLT
■ PT
4Nスラスタ
4N-Thruster
燃料タンク
Fuel Tank
遮断弁
Latching Valve
注排弁
Fill and Drain Valve
推進剤注排弁
Propellant Fill and Drain Valve
ガス注排弁
Gass Fill and Drain Valve
フィルタ
Filter
圧力検出器
Pressure Transducer
16 17
打上げ、衛星分離後の運用
「だいち2号」は、H-ⅡAロケットにより種子島宇宙センターから打上げられます。打上げから約16分後にロケットから
分離され、軌道高度628km、軌道傾斜角97.9degの軌道に投入されます。分離後は、分離の時に与えられた回転運動
(角速度)を止めるためのレ トーダンプ、太陽電池パドル展開、太陽捕捉まで、一連の動作を自動で行います。その後、
地球捕捉を経て、地球の方向を向きながら姿勢を一定に保てるようにし(=地球指向モ ドーでの三軸姿勢確立)、さらに、
太陽電池パドルを常に太陽の方向に向ける太陽追尾を開始します。またLバンドSARアンテナや直接伝送系アンテナを
展開した後、搭載した各機器の機能確認を行うとともに、観測軌道へと軌道修正を行います。
衛星分離~レー トダンピング
ロケットから分離されると、自動的にレ トーダンピングモ ドー
(RDM:Rate Damping Mode)に移行します。このモー
ドは、衛星分離時にロケットから与えられた回転運動(角
速度)を止め、収束させるために行う制御です。衛星に取
り付けられたスラスタを噴射することで行われます。
定常モー ド移行
LバンドSARアンテナや直接伝送用アンテナを展開した後、地上からのコ
マンドを受けて定常モ ドー(FNM:Fine Normal Mode)に移行します。こ
のモ ドーでは、ホイー ルを用いて地球を指向させる姿勢制御を行います。定
常モ ドーへの移行後、搭載した各機器の機能確認や観測軌道への軌道修
正を行い、観測運用を開始します。
Q. 回帰日数が14日になってできることは?
「だいち2号」は、97.3分で地球を南北方向に一周
し、少しずつ東西方向に軌道をずらしながら、14日たつ
と元の場所に戻ってきます。回帰日数が「だいち」の
46日から3分の1以下に短縮されたことで、災害などで
緊急観測が必要なときの対応が格段に早くなります。
太陽捕捉の完了後、地上からのコマンドにより地球捕捉モー
ド(EAM:Earth Aquistion Mode)に移行して自動的に
地球を捕捉します。その後、地球指向モ ドー(EPM:Earth
Pointing Mode)に自動移行します。このモ ドーでは、スラス
タを噴射させて、LバンドSARアンテナが付いている側の面が
地球方向を向くように姿勢を制御します。また、太陽電池パド
ルを常に太陽の方向に向ける太陽追尾を開始します。
地球指向モー ド移行
LバンドSARアンテナ/直接伝送用アンテナの展開
地球指向モ ドーへの移行後、折り畳まれたLバンドSARアンテナ(PALSAR-2)を展開します。
LバンドSARアンテナの展開は、①収納されたパネル全体を衛星構体から解放するパッケージ展開、
②第1翼展開、③第2翼展開の3段階に分けて行われます。各展開は日照中に行われ、その展開時
間は各々5分以下です。続いて、衛星の左右に取り付けられた直接伝送用アンテナを展開します。
「だいち2号」の軌道
「だいち2号」の軌道は、太陽同期準回帰軌
道と呼ばれる、地球を南北に周回する軌道です。
この軌道では、衛星の軌道面と太陽との位置関
係が常に一定に保たれ(太陽同期)、なおかつ回
帰日数ごとに同じ地点の上空を通過します(準回
帰)。また、この軌道では、赤道を通過する時間
が決まっており、同じ場所ではほぼ同じ時刻に衛
星が上空を通過します。「降交点通過地方時」と
は、赤道上空を通過する時間であり、「だいち2
号」では12:00±15分となっています。
「だいち2号」軌道概要 Alos-2 Orbit
軌道種類 太陽同期準回帰軌道
軌道高度 628km
軌道傾斜角 97.9deg
降交点通過地方時 12:00 ± 15min
回帰日数 14日
軌道周期 97.3分
衛星分離
レー ト
ダンピング
太陽電池
パドル展開
太陽補足
地球指向モー ド
移行
PALSAR-2
アンテナ展開
DTアンテナ展開
定常モー ド移行
太陽電池パドル展開~太陽補捉
レ トーダンプが完了すると、自動的に太陽電池パドル
が展開し、太陽捕捉モード(SAM:Sun Acquisition
Mode)に移行します。太陽捕捉モ ドーは太陽電池パドル
のセル面(太陽電池がついている面)を太陽方向に指向
させた状態で、太陽指向軸(衛星と太陽を結ぶ直線)の
周りに衛星を回転させるモ ドーです。
打ち上げからの時間(目安) 衛星イベント
約 30分後
レ トーダンピング
太陽電池パドル展開
太陽補足モ ドー(SAM)移行
約 8~ 9時間後 地球補足モ ドー(EAM)移行~地球指向モ ドー(EPM)移行
約 13時間後 SAR#1展開(アンテナパッケ ジー展開)
約 24時間後 SAR#2展開(第 1翼展開)
約 34時間後 SAR#3展開(第 2翼展開)
約 37時間後 DT-PY展開
約 47時間後 DT-MY展開
約 51時間後 定常モ ドー(FNM)移行
主要イベントのタイムスケジュー ル
16 17
18 19
衛星管制・ミッション運用システム
観測計画立案、コマンド作成、衛星状態監視・制御、ミッ
ション機器の観測データ伝送・レベル0処理、緊急観測デー
タのレベル1処理を行うシステム。
利用・情報システム
ユーザーが観測データを利用する際に使用する、観測要求
やプロダクトの注文・検索・提供に係るユーザインタフェース、
観測データの保存・管理、プロダクト作成に係る各種処理を
行うシステム。
追跡ネットワー クシステム
衛星管制運用を行うためのネットワーク運用計画立案、軌
道決定、地上局の監視、制御、観測データ受信運用のため
の地上局の監視、制御を行うシステム。
解析研究システム
SAR観測データの校正・検証、センサモデルの構築・評
価、高次処理ソフトウェアの開発・評価等を行うシステム。
地上システムと観測運用
「だいち2号」の地上システムは、大きく分けて「衛星管制・ミッション運用システム」、「利用・情報システム」、
「追跡ネットワー クシステム」、「解析研究システム」から構成され、筑波宇宙センター に設置されています。
2 運用計画立案
衛星管制・ミッション運用システムで観測要求に基づき観測計画を立案。
4 観測
衛星による観測を行い、観測データを取得。
6 観測デ ター処理
衛星管制・ミッション運用システムで各種プロダクトを作成。
1 要求受付、観測要求作成
利用・情報システムにてユーザからの要求を受付け、観測要求を作成。
3 衛星管制・追跡ネットワー ク運用
追跡ネットワークシステムでテレメトリ/コマンド運用、地上局運用を行う。
5 観測デ ター受信運用
ミッションデータ伝送追跡ネットワークシステムにて観測データの受信/記録を行う。
7 観測デ ター配信
利用情報システムからユーザにプロダクトを提供。
災害時における提供・利用
「だいち2号」の日本域観測時間は12:00頃と0:00頃(前
後で約1時間程度の幅があります)。緊急観測要求は、観測
時間の1時間前まで受け付けられるため、11時頃に災害が起
きた場合、最短で1時間後には観測が可能です。さらにその
1時間後には観測データ(標準処理データ)を提供できます。
さらに、観測から2時間後には災害速報図を作成し、被災地
に画像を送ることができます。国内で災害が起きた時には12時
間以内に観測して、データを提供します。
コマンド
コマンドコマンド
コマンド
コマンドNW 運用計画
コマンドコマンド
テレメトリ/ミッションデータ
テレメトリ/ミッションデータテレメトリ/ミッションデータ
コマンド
テレメトリ
テレメトリ テレメトリ テレメトリ
テレメトリ軌道情報
ミッションデータ
ミッションデータ
コマンド
テレメトリ/ミッションデータ
コマンド
テレメトリ軌道情報
GPSデータ
距離データ
データ中継衛星
勝浦 S/X 局 鳩山X局
拡張型ネットワーク局(EN局)
沖縄局増田局 勝浦局
地上ネットワークシステム(GN)
スバルバード局
高緯度局
筑波局 鳩山局
スペースネットワーク局(SN局)
ミッション運用系基幹ネットワークシステム
統合型機動力学系システム
衛星管制・ミッション運用システム利用・情報システム
新衛星追跡管制システム対応ネットワークシステム
前処理指示
「だいち2号」
観測パラメータ
観測要求
観測要求
プロダクト(L0、L1、L3)
プロダクト プロダクト
観測/処理計画
解析研究システム ユーザ機関 海外宇宙機関等
Q. 打上げ後はどのように運用が開始され、いつからデ ター提供が始まるのか?
「だいち2号」は打上げられ、定常モ ドーに移行してから、約3カ月かけて、衛星バスやPALSAR-2の初期機能を確認します。その
後、さらに約3カ月間の初期校正検証期間でPALSAR-2の校正・検証を実施します。打上げから約6カ月後に校正済みデータの提供
を開始する予定です。
宇宙航空研究開発機構
第一衛星利用ミッション本部
ALOS-2プロジェクトチー ム
〒305-8505 茨城県つくば市千現 2-1-1 筑波宇宙センター
http://www.jaxa.jp/index_j.html
「だいち2 号」特設サイト
http://fanfun.jaxa.jp/countdown/daichi2/index.html
2014 年 4月発行

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